子供にとってのYouTuber
皆は子供の頃なりたい職業や夢はあっただろうか。あれから数年、数十年が経ち、それに至ることができただろうか。
私はかつて保育系の仕事に携わっており、子供に聞いてみたことがあるのだがやっぱりYouTuberになりたい子は多かった。理由を聞くと「楽しいことでたくさん稼げる」とのことだった。
確かに子供の目にはそう映るのだろう。気持ちはわかる。
だが、実際「稼げる」レベルになるのは決して簡単なことではない。
今それで食べているYouTuberは相当前から活動しているか、非常に高いセンスを持っている、もしくはたまたま流行にヒットしたかのいずれかだ。
一つ目は前々から活動していることもありそれなりに知名度があることからじわじわと数値を伸ばしていったタイプだ。ずっと活動しているからこそできた功績であり、それには数にこだわらない忍耐力と継続力が不可欠になる。
二つ目は努力や才能をより多くの者に魅せる技術を持った人物だ。これもまた並々ならぬセンスが要る。
三つ目、これが凡人の希望となるものだろう。流行りのゲーム遊ぶ、ミームを使った動画を出すなどしてそれの再生回数が伸びる。それが大きくヒットすればもちろん再生回数も大きく伸びることだろう。だがそれだけだ。
YouTuber、もしくはそれを目指すものにとって一番辛いこと、それは「このゲーム(もしくはミームやシリーズ)の動画を見に来ただけ」であること。
つまり、「この人自身には興味ないよ」とされることである。
例えば有名なゲーム実況者だとTOP4がある。彼らの動画は直近だとほぼ全て10万再生は余裕だ。これは彼ら自身の人気にあるといえる。同じゲームを無名の実況者がプレイするのと彼らがするのではあまりにも違う。彼らには「ブランド」ができあがっているからだ。
自分のブランドを確立するのに、一から始めた者がはたしてどれほどの時間と労力をかけることになるだろう。
ましてや今は以前より発信者側の人間は多い。そんな中オリジナリティと面白さを兼ね備えた動画を出し続けなければならない。
これでも簡単な仕事だと言えるだろうか。
子供にとっても一部の大人にとっても楽に見えるYouTuber、その苦労と努力は普通の仕事以上に見えづらいものだ。